- Vol.1 DX推進のための機能と組織①
- Vol.2 DX推進のための機能と組織②
- Vol.3 データの蓄積と活用に向けた戦略
- Vol.4 DX推進人材の育成とやりがいの醸成①
- Vol.5 DX推進人材の育成やりがいの醸成②
やりがいの醸成
日本は人材の流動性が低いと言われますが、実は、デジタル系の人材については7割が転職を経験しています。つまり、デジタル系は他の人材と同じような感覚でいると、容易に転職してしまうということです。
データサイエンティストにとって、収入はもちろん大切ですが、「やりがい」や「成長」も非常に重要です。この点で、事業会社や部門が人材を抱え込み、同じ仕事ばかりを与え続けるような環境となると、離職のリスクが高まるという危機意識を持つ必要があります。
データサイエンティストの観点では、いかに最新の知識を仕入れつつ、それを実践する場があるかということが大切です。例えば、TCAのような会社があり、次から次へと難しい課題がやってきて、それを解決するような環境があれば、データサイエンティストと会社の双方にとって喜ばしいはずです。このように、人を惹きつけるための仕組みが大切であると考えられます。
高い給料のみで人材を囲い込んで、うまくいっているケースはほとんどありません。データサイエンティストとして成長したい人は、世の中で何が行われているかに強く興味を持っており、先進的な取り組みをしている会社や人物と交流し情報を仕入れることも非常に大切です。
AIを使って成長している企業を見ると、自社のAI開発能力が高いという理由だけで成長している訳ではありません。外部とのコラボレーション、外部のケイパビリティを取り込むことによって、圧倒的に成長しています。つまり、内外問わずデータを徹底的に活用する仕組みを作ることが、結果的に企業の成長につながっているのです。
進むべき方向性
データドリブンはマーケティングだけの考え方ではありません。TCAがまずDDM(Data Driven Marketing)の取組みを始めたのは、データ活用の重要性を皆に認識してもらい、データ活用の呼び水にしたいという意図があったからです。
中部電力グループの現状の課題は、ビジネスモデルをどう変えるのかまでの道筋を描ききれていないことです。経営戦略としての取り組みは進んできていますが、それぞれの各事業主体におけるビジネスをどのように変えていくのかや、DXでどう変わっていくのかという目標を示すところの道半ばにいる状況です。
データを分析する中で、どのようにビジネスを変えていくべきかを判断する手がかりが見えてくることもあるはずで、今後はそこにも手をつけていく必要があります。
各事業会社では自ら経営資源を保有したいという思いを持つ傾向もありますが、専門性を要する部分については、できるだけ集約・協力して経営した方が効率的です。
Vol .5 DX推進人材の育成やりがいの醸成② に続きます。
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