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第六回 Vol.1 DX推進のための機能と組織①

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第六回 Vol.1 DX推進のための機能と組織①

第六回アドバイザリーボード

  1. 日時
    2022/10/21(金)16:00〜17:30
  2. 場所
    TSUNAGU Community Analytics(TCA)執務室内
  3. 参加者
    アクセンチュア(ACN)
    ◇ 保 科:執行役員 ビジネスコンサルティング本部 AIグループ日本統括 シニア・マネジング・ディレクター
    ◇ 渡 邊:素材・エネルギー本部 マネジング・ディレクター
    中部経済連合会
    ◇ 増 田:専務理事
    中部電力(CE)
    ◇ 伊 藤:副社長執行役員 経営戦略本部長 CIO
    ◇ 三 谷:経営戦略本部 DX戦略推進室長
    ◇ 内 田:ITシステムセンター長
    TCA
    ◇ 野 田:代表取締役社長(中部電力 専務執行役員 事業創造本部長)
    ◇ 栗 林:取締役(中部電力 事業創造本部 データプラットフォームユニット長)
    ◇ 野 村:取締役(中電シーティーアイ 取締役 専務執行役員)
    ◇ 十 倍:マネージングディレクター チーフデジタルオフィサー
    ◇ 西 浦:ストラテジー&コンサルティングユニット長
  1. Vol.1 DX推進のための機能と組織①
  2. Vol.2 DX推進のための機能と組織②
  3. Vol.3 データの蓄積と活用に向けた戦略
  4. Vol.4 DX推進人材の育成とやりがいの醸成①
  5. Vol.5 DX推進人材の育成やりがいの醸成②

集約と分散

中部電力グループにおいて、CoE(Center of Excellence)的な機能はどこが担っていくべきなのか、その役割分担については議論・検討が必要とされるところです。
特にグループ内におけるTCAと各社の棲み分けについて考える際には、分析のプラットフォームやプロセスの整備、教育などの仕組みづくりについてはTCAのような組織で中央集権的に実施することが望ましいと思われます。
また分析の案件について、典型的でアウトソーシングできるものについても、現場で実行するよりも集約して実行していくのが得策という考え方もあります。
これに対して、現場の目線が必須で、アジャイル的な開発が必要になるものについては、現場で実行するようにしていくという区別もあり得ます。

また、時間という観点では、長期で取り組むものや外販を目指すような案件は集約し、クイックにできるものは分散させるべきという考え方もあります。
さらに、高度・非高度で分ける方法も考えられますが、この場合、必要なケイパビリティの洗い出しと実行可否の判断を各部門で行うこととなります。高度な人材が現場に増え、分析を現場でできるようになれば可能かもしれませんが、現状では困難かもしれません。
将来的には、現場でクイック分析の経験を積んだ人材についてCoE的な組織に異動してもらい、中長期的な観点を持って現場人材の分析能力を育てていくということが考えられます。

分析者と現場担当者の協業

中部電力グループの案件を個別にみると、役割分担としては、基盤となるモデリングについてはTCA、実際の施策実行は事業会社という理想的な形で進んでいるものも多くあります。
ただ、当初は両者がうまく役割分担をできていても、次第に全てを事業会社や主管部だけで実施する方向に進んでしまうことがあります。
しかし、一見、事業会社や主管部で完結できているように見えていても、実は施策実行の部分を中心に作業しているに過ぎず、仮説立てからはじまるプロセス全体までは実行できない可能性があります。
自分たちの施策を検証し継続するための肉付けのような、狭い領域でのデータ活用であれば問題がないかもしれませんが、そうではない新たな発想に踏み出すような場面では課題が出てくることが想定されます。そのような時にはやはり、仮説を立てて検証する道筋を立てることが重要になってきます。単純に施策評価のエビデンスとなるデータが欲しいのか、それともデータ分析から導き出される新しい発想の施策が欲しいのかによって、プロジェクトの内容は全く違ってくることになります。

一方で、事業会社や主管部側から見るとTCAは現場の業務をあまり知らないため、自分たちでプロジェクトを進めた方が効率的であるという考えが産まれてくることも事実としてあり得ます。しかし、業務理解と同様に、データドリブンで何をしたいのかを明確にすることも大切なことであると言えます。
他社の事例ですが、そこではTCAのような組織で分析者が案件を実施しています。しかし、分析者は現場の業務がわからず、一方、現場担当者は分析のための仮説を立てられないと頭を抱えています。
この部分にかかる協業の仕組みをいかに構築するかが重要なのですが、中部電力グループにおいても、まさに同じ課題に直面しているのではないかと考えられます。
DX推進はプロジェクトであり、業務を知っている人と分析を行っている人が一緒に課題を解決していく進め方が合理的です。どのようにコラボレーションを図っていくかという視点で議論を進めていくべきものであり、その上で、TCAが担う役割を明確にする必要があります。

Vol .2 DX推進のための機能と組織② に続きます。