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第二回 Vol.1 TCA推進案件の状況と課題(1)

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第二回 Vol.1 TCA推進案件の状況と課題(1)

第二回アドバイザリーボード

  1. 日時
    2021/7/16(金)9:00〜11:00
  2. 場所
    TSUNAGU Community Analytics(TCA)執務室内
  3. 参加者
    アクセンチュア(ACN)
    ◇ 五十嵐:取締役副社長
    ◇ 竹 井:執行役員 素材・エネルギー本部 統括本部長
    ◇ 保 科:ビジネスコンサルティング本部 AIグループ日本統括 マネージング・ディレクター
    ◇ 渡 邊:素材・エネルギー本部 マネージング・ディレクター
    ◇ 村 上:ビジネスコンサルティング本部 テックストラテジーリード マネージング・ディレクター
    中部電力(CE)
    ◇ 増 田:副社長執行役員 事業創造本部長
    ◇ 伊 藤:専務執行役員 経営戦略本部長 CIO
    ◇ 内 田:ITシステムセンター長
    TCA
    ◇ 野 田:代表取締役社長(中部電力 執行役員 事業創造本部 副本部長)
    ◇ 栗 林:取締役(中部電力 事業創造本部 データプラットフォームユニット長)
    ◇ 野 村:取締役(中電シーティーアイ 取締役 専務執行役員)
    ◇ 小 林:企画ユニット長
    ◇ 西 浦:ストラテジー&コンサルティングユニット長
    ◇ 十 倍:データサイエンスユニット長
    ◇ 村 田:データエンジニアリングユニット長
  1. Vol.1 TCA推進案件の状況と課題(1)
  2. Vol.2 TCA推進案件の状況と課題(2)
  3. Vol.3 AI導入・拡大の成否を決める要素
  4. Vol.4 AIを活用するための仕組み~拠点戦略/AI CENTERの事例~
  5. Vol.5 中部電力グループのDX戦略とTCAの機能
  6. Vol.6 経営戦略の中のDX

第二回のアジェンダは、AI導入によるDX推進の仕掛けと人材育成について。
冒頭でTCA推進案件の状況と課題を共有し、改善に関するディスカッションをおこないました。その後、TCA内の人材育成・評価、人材確保について説明したのち、ディスカッションをおこなっています。

導入 ~TCAの現状について~

TCA野 田
TCAが立ち上がって4ヶ月が経過し、中部電力グループを客観的に捉えることでさまざまな課題が見えてきました。
それらを紹介しつつ、DXを進めるためのポイントについて外部の方からもアドバイスいただきたいと考えています。
TCA西 浦
アドバイザリーボード第1回は広い意味でのAI活用によるDXについて、その要となる部分を議題とし、最新のAI活用によるDXトレンドのインプットとそれに基づくディスカッションを行いました。

第2回もACNがコンサルティングを行う中や自社課題として解決してきた事例を紹介いただきつつ、中部電力グループの課題とAI導入によるDX推進の仕掛け、人材育成をディスカッションテーマとします。
特に中部電力グループ各社と話をする中で、DX人材育成の相談が非常に多く、今回の大きなテーマの1つとして取り上げています。
TCA西 浦
TCAは少人数の体制ではありますが、実施調整中の案件も含めて30件程度を取り扱っています。その中で見えてきた個別の課題を5つご紹介します。

1つ目は、類似案件の集約と推進について。
2つ目は、顧客基盤の活用について。
3つ目は、視点の高度化による効果拡大について。
4つ目は、データサイエンスの業務適用について。
5つ目は、業務変革への本気度が問われるテーマについて。

ここから一つずつ夫々の事例をご紹介します。

TCA推進案件事例①:類似案件の集約と推進

TCA西 浦
1つ目の類似案件の集約と推進に関する事例は、中部電力グループ各社が、それぞれデータを加工しながら別の分析モデルで同じような予測を行っていたものです。

多少はデータ分析の精度や範囲がずれるかもしれませんが、理想としてはデータ加工等の作業は共通化し、ベースとなるアルゴリズムを利用しながら個別のニーズに対応したモデルを構築していくべきではないかと感じています。

TCAとしても横連携とプラットフォーム化を試行しています。今後も同様の事象が想定されるためTCA内の業務を効率化すると共に、ユーザー夫々にコスト面や品質面での成果を還元する仕組みを考えていかなければなりません。

分析モデルをつくるのはTCAですが、それを保有・コントロールし、統制・管理するのは誰が適切なのかということも検討すべき課題の一つです。
CE 増 田
こちらの事例について、電力データには相関・依存する商品が多いため、周辺のデータも集めて分析することが必要です。販売系のデータなどをうまく組み合わせる仕組みを構築し、外販に繋げていくべきですし、事業会社がそのような意識を持ってデータを持ち寄ることが肝要です。
CE 伊 藤
私からは、実務的な面、また経営戦略本部長、CIOとして考えていることという観点からコメントさせていただきます。
案件によっては、外的要因による部分が大きいものもあり、まずそこを当てる必要があります。

そして、もう一つ重要な観点は、案件によって求められる精度が異なるということです。大きく外さなければ大きな影響はない案件については、VaR(Value at Risk/予想最大損失額)的な発想を入れて考えるなど、何を目的として取組むかが重要になってきます。

TCA推進案件事例②:顧客基盤の活用

TCA西 浦
2つ目は顧客基盤の活用についての事例です。

営業の方々がお客さまを訪問する際、商材に困っているという話がありました。
複数のグループ会社から営業業務の高度化に向けた取組みを伺っていますが、変革の意識はあっても個社別での対応となっておりグループ全体でみると非効率な事象が散見されます。

例えば、新たに開業する医院へ電気・ガスの営業で訪問した際、開業を知らせる「電柱広告」を提案することもできるでしょうし、駐車スペースが狭いのであれば「軒先パーキング」のようなサービスを紹介することもできるでしょう。

しかし、そもそも付近に電柱広告を出すことができるのか、それ以前にどのようなお客さまが電柱広告に興味があるのか等、お客さまのニーズに対し各社の商品を組み合わせて提供するための商品(在庫)情報や接点情報といった機能的なインプットができていない現状があります。

お客さまのニーズを可視化すると共にお客さまの特性を捉えること、そして各商材がどのような用途で使われているのかを夫々の営業担当者にインプットすることで、グループ各社が相互に商材を活用しながらお客さまにとっての価値を高める仕組みを考えたいです。
TCAはデータ活用の観点から各社と交流があるため、うまくハブとして利用していただければと思っています。
CE 増 田
データを活用した新しい営業の型をつくるという話について、営業部隊は商材のことを話していたということですが、まず行うべきは顧客IDを統合することです。

例えば、電柱広告を出していただいている方はどのような電力の使い方をしているかなどを、分かるようにしていくということ。商材という上流の発想ではなく、顧客のプロファイリングを詳細にできるようにすることがデータ活用の第一歩です。こうした話を、中部電力のグループ経営本部に対してしています。

顧客基盤の活用については、中電興業や中電オートリースなどもさまざまな顧客接点を持っています。まずTC-ID(TSUNAGU Community ID/暮らしに役立つ各種サービスを1つで利用できる無料ID)にグループ企業の顧客情報を統合し、有効なマーケティングができる形を構築しなければならないと考えています。
CE 伊 藤
この顧客基盤の話はグループ経営そのもの。グループ会社を含めてIT基盤をどのようするのかは、極めて時間と資金を要する話ですが、整理していきます。

グループ会社を統括しているのは経営管理本部であるため、連携して進める必要があります。
Vol .2 TCA推進案件の状況と課題(2) に続きます。